ワカで泊めてもらってる尼僧院、「Wakha Jangchub Choling chomo Gompa」という名前。
その巡礼者用の宿坊に泊まらせてもらいました。
そして本編へ。
2010年10月1日
あんまりにも早く寝たため、起きても真っ暗。
まだ5時前。そして停電なので、どうしようもなく真っ暗。
ラマユル方面に行くバスが通るのは7時って言ってたから、まだまだ時間はある。
でも、僧院だから煙草は吸えないし、真っ暗だから本とか読めないし(懐中電灯で試したけど明らかに目に悪いのでやめた)、外は極寒だから出たくない。
仕方ないので、寝袋の中でじっと考え事。
そうこうしているうちに外も明るくなり、僧院の方々も起き始めてきた。
6時半、街道まで5分も掛からないけど、少し早く出ることに。
荷物をまとめる。
宿代ってのはないだろうから、お布施で払うことに。
まとめた荷物を持って、渡せそうな人を捜す。
ここにいる女性、全員が出家しているわけではなさそう。
身の回りの世話をするために、住み込みで働いている感じの人もちらほら。
尼僧らしき方は見えない。
勤行の最中でもなさそうだけど、見当たらない。
仕方ないので、お世話係っぽい女性に「ドネーションだ」と言って200ルピー(ドミだし、こんなもんだろうと判断)渡そうとすると、台所っぽいところに連れていかれて、ロティとチャイを出される。
うむむ。
ご飯いらなかったんだけどな。
まあ、せっかくなのでいただいていると、年配の尼僧が登場。
英語はダメっぽい。
ボクに英語が書かれた紙を見せる。
細かい文章は忘れたけど、「ステイした男性(manと書かれてた)は300ルピー(約600円)」みたいな内容。
あ・・・料金決まってたんですね。ちょっと苦笑w
貴重な現金収入ですもんね、喜んでお支払いいたしました。
尼僧院のある山を下りて、ワカの集落へ。
ワカでバスを待ってたとこ。右端がオヤジさんの店。 |
「おはよう、バスならここで待て」と。
そこで待ってると、オヤジさんの店に客が来た。オヤジさんに「アッサラームアレイクム」と。
ワカの集落にはキレイなマスジドがある。
顔立ちもチベット系ではない。
そか、ここらはカシミーリ(カシミール人)の集落なのか。
でも、尼僧院では「ジュレー(ラダック語のあいさつ)」って言ってた。
尼僧院の方々とワカの方々は何語で話してるんだろう。
10分くらいでバスが来た。
が、
ボクが手を挙げているにもかかわらず通り過ぎた。
マジか?
と驚いてると、
オヤジさん、「走れ」と。
マジか?
とりあえず走る。
バスに追いつけるわけない。
でもまあ、バスを追いかけるように道を進む。
すぐにバスを見つけた。
ワカではこの辺りに止まるらしい。
降りてる人もいる。
なんだよ、最初っからもう少し先で待てって言ってくれよ。。。
バスはしばらく止まるようで、乗客たちも降りてきてて、休憩してる。
それにしてもすごい人。
これ、全員座れないんじゃ。
様子を伺うために、最後に乗ることにした。
20分くらい止まって、出発らしくみなさん乗り始めた。
ボクは最後。
案の定、座る場所はない。
仕方ない。
立ってる人は何人もいる。
二人掛けの座席に3人座ってるとこもある。
超満員。
しばらく立ってたら、最後尾の座席の人が、オレの膝の上に座れと。
ありがたかったが、さすがにそれは丁重に笑顔でお断りさせていただいたが、こう突っ立ってられたら目障りでもあるんだろう。通路に体育座りすることに。
体育座りしてるとこんな視界 |
車内のテレビでビデオ上映。
ぼんやり見ていた。言葉は分かるはずない。
すると、ちょくちょく聞こえてきた単語「シュークリヤ」。
何度も聞こえてきた。
これ、ウルドゥー語じゃん。パキスタンの言葉じゃん。敵性語じゃん。
急にドキドキしてきた。
こんなごく普通の市民生活の中で、こんなおおっぴらにこんな反政府的な言葉が使われてるだなんて。
カシミール問題は根深いどころか、表面に出てきてるんだ、と。
(などと、わかった気になったことを書きましたが、ウルドゥー語はジャンム&カシミール州の公用語のひとつなので問題なし。後で知りましたが、この時はドキドキ。)
この後も座席に座れぬまま、
ラマユル到着。
欧米人のおばちゃんたちが乗ってきたが、その乗車率の高さに「Oh!」ってw
バスは街道沿いに止まっただけなので、下の方にあるラマユルの集落には人が踏みしめただけの跡がある砂利の斜面を降りて行かなければならない。
嗚呼、帰りはこれを登るのかと、キレイなラマユルの光景を見ながら少し気が重くなる。
バスを降りたところから撮った写真 |
さて、寝床の確保。
いくつかのゲストハウスの看板があったので、そこでしばらく吟味してたら、声をかけられた。
ついていくと、すぐのところにゲストハウスが。
部屋を見せてもらうと、眺めも日当りもいい。
が、ここまで窓が大きいと夜寒いだろうなと。
でも、その眺めの良さが決め手でここに泊まることに。
「Shangri-La Guest House 」200ルピー(約400円) |
部屋の窓から |
昼食は?と聞かれたので、「1時にお願いします。」と伝え、ラマユルゴンパに向かう。
ゴンパ(僧院)に着くと、ちょうど欧米人二人がタクシーで到着。
ゴンパはいろいろ修復中。
それが八月の雨による補修かわからないけど、そこかしこで補修中。
トンカチで、石の形を整えてたりしている。
基本、ここは観光を目的をした施設ではなく、祈りの場。
どんなに自分が遠くからきていようが、邪魔をしちゃいけないよなってのが行動の基本。
と、
ここで先の欧米人二人組、石を整えてる職人さんのところにつかつかと行き、なにか言った後、そのトンカチを取り上げ(合意はあったのかもしれないけど、そう見えた)、職人さんと写真をパチリ。
嗚呼、ボクにゃあんな笑顔出来ないよなって感情とともに、イヤなもの見ちゃったな、と。
ラマユルゴンパから |
豆とジャガイモとご飯。
この後も、宿で食事するのですが、選択の余地はなく、このような質素な食事。
ご飯写真を楽しみにされてる方には申し訳ないのですが、高所で土地も痩せているので仕方ない。
物流環境が今より整ってなかった昔はもっと質素だったろうなとも思われます。
午後は、集落を歩いて(小さいので隅々まで歩くのに30分かからない)、少し川沿いに歩いてみる。
チョルテン(仏塔)が点々とあるので、あそこまであそこまでと川下に向かうがキリがないので、1kmも進まずに集落に戻る。
もう一度、ゴンパを見たあとはゲストハウスに戻る。
夕食をいただいて寝る。
と、毎日毎日そんな早く寝れる訳ではないので、しばらく読書。
2010年10月2日
それでも10時くらいには寝たので、翌朝も暗いうちに目覚めた。
停電なので電気はつかない。
外を眺めてた。
段々明るくなってくる。
窓から見える山は光の角度によって刻々を表情を変えていく。
見ていて飽きない。
ぼんやり眺めてたら、6時もまわり人も動き始めた。
バスは9時から10時の間に通るらしい。
少し時間もあるので散歩に出た。
ここらも八月の鉄砲水の被害にあったと聞いたが、いかにも水が通りそうなところは土砂の跡があったけど、それ以外は被害らしい被害は見当たらない。
朝食をいただいて、
(ジャムはジャンムの会社の製品。昔はこの手の甘いものの入手も困難だったろうな。)
ゲストハウスを出る。
来た道に戻るため、砂利の斜面を登る。
10分くらいで、街道に出た。9時ちょっと前。
バスを待ってたポイント。 転がってるバッグはボクの。 |
9時半ころ、はるか先にバスが見えた。
おー
今日はスムーズに行きそうな予感。
バスは山影に隠れて見えなくなる。
バスを待つ。
ずっと待つ。
が、
いくら待ってもバスは来ない。
下の方を見ると、ラマユルの集落に向かうバスが見えた。
え?
こっち来ないの?
ラマユル行きのバスってあるの??
いまから斜面を走って降りても間に合わないので、次のバスを待つ。
トラックも通るが、良く見てるとボクの前を通るトラックもあるけど、ラマユルの集落に降りていくトラックも少なくない。
それでも、下手に動くよりここで待つべきと判断。
だって昨日ここで降りたんだし、ここから乗った人もいたんだし。
10時過ぎ、またバスが見えた。
時間的に、このバスは昨日乗ってきたバス。
が、
このバスもラマユルの集落に降りていった。
え?????
少し街道を戻って、ラマユルに向かう分岐まで行った。
待つ。
が、バスは通らない。
トラックがたまに通る。
仕方ない。
トラックをヒッチだ。
しかし、朝に比べてトラックもほとんど通らなくなってる。
通ったトラック数台に乗せてくれと頼むが、まったく相手にされず。
なんなんだこの状況は・・・。
11時過ぎ、
諦めてゲストハウスに戻る。
状況を話す。
昨日あそこで降りたから、あそこで待ってたのにバスが通らないんだ。
ゲストハウスのおかみさん、たまにあっちを通るから・・・と歯切れ悪い。
タクシーを呼べますか?
と聞いてみたけど、「んー」とさらに歯切れ悪い。
決めたよ。
もう一泊しよう。
同じ部屋に通してもらう。
さて今日一日どうしよう。
やることといったら、散歩しかないんですけどね。
とりあえず、さっきガケを登ってる途中で見かけたヒンドゥー寺院らしき建物に向かってみる。
遠くから見た時は、シヴァ神を意味する三つ又の矛が見えたし、近くで見てもシヴァ神を意味するデーヴァナーガリー語शिवが書かれてたりするんだけど、卍があるのはいいとして、中をのぞくとマニ車が祀られてた。
これはいったい。
マニ車をリンガと見なしてるのか。
なぞ。
聞ける人もあたりにはいない。
昨日とは逆に川下に向かってみた。
ただたださみしくなっていくだけ。
しばらくボケッとしたあと、ゲストハウスに戻る。
そんなこんなで無為な一日が過ぎていったのだった。
ラダックの話その6へ続く。
バス待ちポイントの左の分岐から、バスは集落の方に・・・
より大きな地図で ラダック2010 を表示
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