2010年11月22日月曜日

ラダックの話その12〜標高5000m越えてみた編


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2010年10月9日

なかなか寝れなかったこともあって、目覚ましのアラームで起きる。
午前7時半。

旅行会社が開くのは早くても9時だろうから、その前に朝食。
(写真はない)
食べてたら、日本人旅行者に声をかけられる。
おお。久々の日本語。わーい。
って感じもなくはなかったのだが、現在の不安を抱えた状態だとなんか盛り上がらず。
こちらの事情を話すと、その方もデリーに戻るのに同じ航空会社を利用とのこと。
無事を祈る。

9時になったので、近くの旅行会社に行ってみる。
何軒か回った。
でも、そのあたりの旅行会社はトレッキングのアレンジとかばかりで航空券は扱ってないらしい。
メインバザールに向かう。
10時にセイ氏が迎えに来てくれるのだが、場合によってはキャンセルだし、10時にゲストハウスに戻れるかも少々怪しい。

メインバザールの旅行会社二軒目、
「あさってデリーに行きたいんですど・・・」
「あさって?」
「はい」
ちょっと他の人と話して、
「トゥエルブタウザンド、フォーフィフティー、ルピース」
え・・・・空席の確認もしてないじゃん・・・
「デリーに行けるのですか?」
「イエス」
おおおおおおー
やったぁ・・・ホッとする。
やっぱシーズンオフだから客も少ないんだな。
ボクが使う予定だったフライトも客が集まらなかったからキャンセルにした可能性大。

トゥエルブタウザンド、フォーフィフティー、ルピースか。
ここでボクは、
頭の中で1245ルピーと描いていた。
なんだ、日本で予約するよりも安いじゃんか。
現地で買うのが一番だな。
なーんて思った。
カウンターの男性、電卓をこっちに向ける。
12450ルピー。
あ・・・一けた違うw
ん?12450ルピーって・・・・約二万五千円!!!
マジか・・・。
焦る。
そんなにルピー持ってない。
円、ドル、香港ドル、有り金全部持って来てた。
確か100ドル札が3枚あった。
「あのぉ、USドルで払えますか?」
他の人と話した後、「オーケー」と。
一安心。
でも、彼が提示してきたレートが少し悪い。
んー
ここで両替をしてきて満席になったなんてなったら目も当てられない。
諦めて300ドル払って、ルピーで少しのお釣りをもらう。

全財産が五千円分くらいのルピーと、70USドルと少々、香港ドルは千円分もない、それに7千円と小銭。
あああ。
手描きタンカを買うお金はなくなった。。。
クレジットカードって選択肢はない。怖いから。

9時40分くらいにチケットを受け取ってゲストハウスに戻る。
セイ氏はすでに来ていた。
こんな払いのいい客逃したくないもんねw

ランクルに乗って一路カルドン・ラへ。
カルドン・ラ(Khardung La)は海抜5602m。自動車が通過可能な世界一標高の高い峠とのこと。
別になにがあるわけではないけど、せっかくなので行くことにしました。
ただ、
実際に計測したら海抜5359mなので、本当に世界一ではないらしいけど。
カルドン・ラを抜けるとヌブラという地域になって、パキスタンとの紛争地域がすぐ。
そのため、入域パーミットが必要。
それは先日確保済み。

ランクルはただでさえ高所のレーからさらに登って行く。
レーの街はどんどん小さくなるものの、山間からちょくちょく見える。
例によって、セイ氏と煙草を吹かしながらなのだが捨てるところがない。
セイ氏は窓からポイっと。
昨日は携帯灰皿に捨てたけど今日は忘れた。
どうしよう。
ちょっと迷ったけど、セイ氏のように窓からポイ。
気分のいいものではないので、煙草はこれっきり。

ランクルは草木がほとんどない山道を進む。
だんだん曇ってきて雪もチラチラと。
この車のタイヤ、スタッドレスとかじゃないだろうな。
道は明らかに白くなっていく。
時々、タイヤが空転するのがわかる。
体に力が入る。
喉も乾く。
ちゃんと舗装されてない道路、道幅もせまい。ガードレールなんてない。対向車はほとんどないのだが、それでもたまにある。
緊張する。
なんとかすれ違う。
きっと、こんな感じで崖から落ちてるんだろうな。
そんなことを考える。
そんなことを考えるか、無事を祈るしか頭の中にはない。

小一時間でチェックポイントへ。
パーミットの用紙を渡してさらに進む。

前方に軍のトラックが3台見えた。
すぐに追いつく。
幌の被った荷台に軍人さんが満載。
国境(と言っていいのかどうか)警備の交代要員かな。
トラックよりランクルの方が早い。
セイ氏、トラックを追い抜こうとする。
雪降る中。
やめようよ・・・と心の中では思う。
見守るしかない。
トラックもランクルが抜かそうとしているのは了解しているようだが、特に譲る気もないっぽい。
道幅関係なくセイ氏は抜かそうとするが、まあそれは無理。
しばらく走った、少し開けたところでオーバーテイク。
それを3回。
あまり楽しいものではない。

1時間半くらいでカルドン・ラに到着。
寒い。
でも、空気の薄さはわからない。
こんなもんか。
カフェや土産物屋の看板が見えたので、その建物に行ってみると閉まってた。
ここもシーズンオフか。

ヒンドゥー寺院が通り沿いに。
少し上がったところにタルチョ(チベット仏教の祈祷旗)が大量にはためいている。

そこに行ってみる。
あ、息苦しい。
階段数段で息が上がる。
ああ、やっぱ高所なのは間違いないんだな。



やることもないし、20分くらいで降りることに。

雪はやんでいた。
不思議なことに、道路を白く染めていたものも跡形もない。

1時間ちょっとでレーに戻る。
セイ氏にお支払い。
明日の予定とか聞いてくるのかな?と思ってたけど聞いてこない。
まあ、そんな遠くに行く訳ではないからいいけど。

ゲストハウスに戻る途中の商店でソフトドリンクを吟味していた。
真剣な面持ちで賞味期限とかチェック。
すると、
後ろから日本語で声をかけられた。
今朝会った日本人旅行者だ。
もうひとりいらっしゃる。
昼ご飯を食べに行くとのことなので、ずうずうしくご一緒させていただくことに。

ひとりの方が、デリー在住でヒンディー語ペラペラなのでいろいろお任せ。
楽してすいません。

食事の後、
新聞を買いたいとのことなので雑貨屋さん風な店に立ち寄る。
小さな店だったので外で待つ。
中でなにやら話が弾んでる模様。
しばらくして、話し相手の現地男性と出てきた。
その男性、2年前の代々木公園で行われた「ナマステ・インディア」に出演していたらしい。
おお。
ボクら行ってたじゃんか。
その男性、
「あなたはジャパニーズ、あなたもジャパニーズ。でもあなたはラダッキ(ラダック人)わははw」と言って去って行った。
もちろん、ラダッキと言われたのはボク。

さて、どうしようということで、お茶することに。
ボクも特に予定はないので、お邪魔することに。
連れていってもらった店、
市街地から少し入ったところなんだけど、ものすごく小洒落た雰囲気。
まったりするのにちょうどいい。

数時間話したあと、じゃあ晩ご飯もここで食べようということに。
断る理由は全くなし。

ゲストハウスに戻った後、
ネットカフェ行ったり、頼んでいた洗濯物を回収してるうちに約束の時間に。
ちょっと暗くなってたこともあって、少し道に迷う。
が、無事に到着。


普通にちゃんとした食事。といったら語弊ありそうだけど、
インドで洋食食べたことは何度もあるけど、どこも旅行者向けの安食堂。
まあ、カレーに飽きたときにはいいけど、本格的とは言い難いものばかりなのですね。
それが、ここは本格的。
そしてビール。
飛行機の中で飲んでから飲んでなかった。
高所だからというのもあるけど、インドで旨いビールを飲んだ覚えがないってのもあった。
それが、よーく冷えてて旨い。
食の楽しみが少ないラダックで、ものすごく楽しませてもらいました。
レーの「Bon Appetit Restaurant」、要チェックです。

ご一緒のおふたり、
ひとりの方は、まだまだ旅を続ける方、もうひとりはデリー在住。
いいですね〜。
どちらも羨ましい。
まあ、人によってはボクのスタイルも羨ましいだろうけど。

長年の疑問があったので、デリー在住の方にぶつけてみた。
シーク教徒の軍人さんが少なくいるが、彼らは最前線ではヘルメットをどうするのか?戦闘機乗りとかいるのか?
もちろん、
その方も専門家ではないので、予想の範疇なのだろうけどお答えいただけました。
映画では、シーク教徒の歩兵はターバンのままだった。
現代では、ターバンを巻かない、髭を剃るシーク教徒がいるので、それらが理由でつけない職種も少なくなってるはず。
ふむふむ。
かなりスッキリ。

夜9時過ぎ。
レーの街は静かになり始めている。
楽しい宴もお開きに。
おひとりはレストランのすぐ近く。
いろいろありがとうございました。
もうひとりは、少し遠い。
暗いので送ることに。
街灯がないので本当に暗い。
何度か角を曲がってホテルに到着。
いやいや、お話し出来て楽しかったです。ありがとうございました。

さて、
ボクも帰ります。
えーっと、
あっちから来たはずだけど自信ないな。
王宮とか見えたらどっちかわかるんだけど、暗くて分らない。
少し迷ったけど、なんとか見覚えのある道に。
空を見上げると満点の星空(ホントは雲がかかってるところもあったけど)。
街灯のない道の隅っこで空を見上げていた。
日本じゃよっぽど郊外に行かないと見れないな。なんて思いながら見上げていた。
気づいてはいた。
昼間と違う顔で歩いてるのを。
声も聞こえていた。
昼間と違って元気な声を。
野良犬。
空を見上げながらも、犬の声は聞こえていた。
それでも遠かった。
しばらく見てたら、カサッカサッって何頭もの足音が。
数匹の犬が走ってきた。
ボクを見る。
ボクも見る。
襲うとかそういうつもりはないのは分かる。
でも、
暗がりで何頭もの犬と見つめ合うのは心穏やかではいられない。
帰ろう。うん
犬を警戒しつつ、そこを離れる。
振り返ってみると、その群れ、ボクを気にしてる。
こわい。

ほとんど人がいない市街地に入ってゲストハウス到着。
うん。起きたときには考えられなかった楽しい日であった。
明日はレー最終日。
土産物買わなきゃだな。

ラダックの話13

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